花街の団扇

夏になると、京都のお店などで見かけるこの団扇。これは、芸・舞妓が夏のご挨拶にお茶屋さんやご贔屓のお客様、またよく行く喫茶店やお店などにお配りするものです。お店にとっても、ここは芸舞妓さんがよく来てくれるのですよ、という宣伝にもなるわけですね。

朱の色で大きく書かれた名前。右に書かれていているのは、屋形にお世話になっている人は屋形の屋号に、自前さんのお姉さんは実家の名字になります。裏の家紋もまたしかり。

 


昨今では私をふくめ、日本全国から舞妓さんに憧れて京都へでてきます。名字も地方の名前でかわったものがでてきたり、また家紋という風習のない地方からの子もでてきたり。ゆっくり見るとまた楽しいものです。うちはいたってノーマルな丸に橘ですが、前にいた芸妓さんで、ほっぺにペケ印のついた少しヤクザな雀が三羽円陣をくんでにらみあっている、とても面白い家紋がありました。なんていう家紋なのだろう・・・と気になりながら、聞けず仕舞い。今度紋帳で調べてみなくては。この団扇、なんとなく普通の団扇と違う風を運んでくれる気がするから、不思議ですね(笑)。