水無月の簪

水無月の簪のお話を、今日はしましょう。

6月の花といえば皆さんはなにを思いうかべますか?彼女がさしているのは紫陽花ですね。

私がこの月で好きだった簪は柳の簪。5月末に店出しをした私に、見習いさんの一力さんのお母さんがお祝いに贈ってくださったのが柳の簪でした。

出立てさんの舞妓さんのときはあごまで届く長さの柳に赤い撫子がとんでいました。緑に赤がとても鮮やかで今でも鮮明に覚えています。お姉さんになっていくと柳の長さも短くなり、撫子もピンクに。こんなところでも少しずつお姉さんになっていきます。

私は一度もさせずじまいでしたが、傘の簪にも憧れていました。薄い絹で張られた和傘の上に、柳が下がる、梅雨に風情たっぷりの涼やかな簪、きっとお姉さんか本人さんの特注品だったのではないでしょうか?うらやましかったなぁ・・・・