![割烹・和ごころ Ikeuchi](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=460x10000:format=jpg/path/s0091d3d7a5c7ee67/image/i670f0c16c2c4a69a/version/1487129190/%E5%89%B2%E7%83%B9-%E5%92%8C%E3%81%94%E3%81%93%E3%82%8D-ikeuchi.jpg)
仕込みさんに入って、毎日毎日お母さんからいろんなことを教えていただく中で、最初の課題がお箸の上げ下ろしでした。屋形にはいって、用事を覚えるより先にまずは毎日のごはんですから。私は心強いことに同じ家にもう一人仕込みさんがいて同期として、まるで双子のように大きくなりました。私は握り箸で、彼女は左利き(笑)。毎回のごはんの時に、お母さんに丁寧に教えてもらうのですが、癖のものですからなかなか大変でした。そんなん気にしていたらご飯の味もわからへん。使えるならいいやん!って正直ちょっぴり思っていて(笑)。
でもその時にお母さんが、なぜ直さなくていけないのか諄々と説いてくださって。「舞妓さんに出たらな、お客様の前で一緒にごはんよばれんならんときもあるし、お取り分けせなあかんときもあんのえ。そのときにおかしなお箸を使い方してたら笑われてしまうやろ。そやさかいに今の間に直しとかんと。」・・・ああ、それは直しとかな・・・と子供心に納得。どうにかお店出しまでには間に合ったのでした。あとご飯を早く食べること、お風呂に早く入ることも、まず教育してもらいました。昔なら家や学校で当たり前に教育されていたことが、私たちと時代ぐらいから個性や、自由という言葉でなおざりにされ始めていて、屋形のお母さんは教えることが10倍、いや、もっと増えたのではないでしょうか。
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