見習いさん

半だらり、といいうのを皆さんはご存知でしょうか?これは約一年間の仕込みさんをへて、お師匠さんから店だしのお許しをいただいた子がデビューの約ひと月前から見習いにいく時の格好です。舞妓さんは、だらりの帯。でもまだ半人前の間は半分のだらり。初々しくて可愛い恰好ですよね!

見習いさんというのは、今でいうとインターンみたいなもので、決まったお茶屋さんに行儀見習いで預かってもらうのです。西村さんの子は一力さんへ。私も一力さんでたくさんのことを教えていただきました。

おしろいをするのも、髪を結うのも、裾をひくのも、お座敷に出てお客様や、よそのお姉さんとお話するのもはじめて。まだ16,7の女の子には心臓がはりさけそうな毎日・・・くたびれて帰っても寝るのは高枕。

おしろいは、もうとにかくひどくて、毎回笑われて。今の子は比較的みなさん上手ですが、当時は本当にみんなひどかった・・・(苦笑)。「なんえ、


おしろい壺から出てきたみたいやな」なぁんてことも言われて「おしろい壺ってなんどすか?」って聞いてまた笑われて。祇園小唄も裾がからまって上手に舞えなくて、そんなときは地方さんのお姉さんがすこしお三味線をゆっくりしてくださったり(笑)。失敗談は数えきれません。お座敷のどこが上座で、どこに気を配らねばならないのか・・・お酒の種類、タイミング、暗号のような言葉。「ハテナ?」の日々が続くのでした。